アメリカの俳優さんでヴァル・キルマーという人が最近亡くなった。
この人を有名俳優にしたのは1986年公開の映画「トップガン」だ。
当時、子供だった私は金曜ロードショーで初放映されたそれをビデオに録画し、おそらく100回以上は観ている。
全てのセリフとその間まで覚えていたほどだ。
それくらいハマった映画だった。
ちなみに名作「スタンド・バイ・ミー」も同じ1986年公開。
こちらも好きな映画だ。
ヴァルさん演じるアイスマンはトム・クルーズ演じる主人公マーヴェリックのライバルであり後に心の通じる仲間へとなる人物だ。
続編でも熱い演技を見せてくれていた。
実生活では、この人は咽頭ガンになり、一応回復傾向にあったらしいが今回は肺炎で亡くなったとの事。
呼吸が上手く出来ない状態だったから、それは苦しかったろうと容易に想像がつく。
つまり、深堀りするまでもなく実質の原因は癌で亡くなったのだ。
本当に迷惑な病気である。
治療を続けても治る保証が無いのだから。
癌患者の全てがその出口の無いトンネルの中を不安と共に歩んでいるのだから。
しかし、こんな有名な映画に出演し、それなりに有名俳優にまでなった彼も1週間もしたらほとんどの人から忘れられる。
次から次に新しい情報が流れてくるのだから仕方ない事だ。
でも熱烈なファンだったり、家族や友人は覚えてくれているだろう。
その人たちに対して何を残せるか、これが生きて行く上で重要なのだと彼の死から感じさせられた。
長生きも良い。だが心に残る何かを残せたならそれでも良い気がする。
教科書に載るような偉人でなくとも、生き様というのは残せるものだ。
結局はどう死ぬか、という目的のために人生があると言ってもおかしくない。
それなら、やはり自分らしく生きるべきだと思う。
何が好きで、何がしたくて生きている人なのかを周りに明確にしてこそ彼らの記憶に残るからだ。
もちろんそれは本能のままに社会に迷惑をかけたり無茶苦茶する様なものであってはならない。前向きに、瞳を輝かせて、周りに良い影響を与えながら生きるべきだ。
カッコイイ死に方なんて無い。
でも「らしい」死に方なら出来る。
死ぬ事を前提にしてメンタルが落ちているわけではないが、ヴァル・キルマーの死により少し生き方と死に方を考えさせられた。
